先述した46系ムーブメントは、70周年目に大きな進化を果たした。アニバーサリー限定にも搭載された46系F8キャリバーは、がんぎ車にシリコンが初めて使われた。3つの特許技術が詰まったこのパーツを自社製造できる時計ブランドを筆者は知らない。ではなぜオリエントスターでは作り上げることができたのか。それは2017年から経営統合したエプソンの技術が背景にある。同社の高精細プリントヘッドの製造にも使われるMEMS加工技術を活かした設計・開発。そして、半導体の技術を応用したナノメートル単位での膜厚コントロールで光の反射率を調整することで、形状だけでなく、色までも自在に操れる技術を確立したのだ。新たなパーツによって軽量化と加工精度を増したF8ムーブメントは日差精度を+15秒~-5秒にまで追い込み、パワーリザーブも50時間から70時間へと延長。ビジネス用途なら金曜の帰宅時に外してから月曜の通勤時に着けるまで、正確な時間を頼もしく刻み続ける。http://www.wshop2345.com/ |