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精度向上に役立てられるトゥールビヨン
トゥールビヨンはレプリカ時計製作技術の最高傑作としばしば考えられていますが、厳密には言えば、時計の複雑機構ではありません。というのは、トゥールビヨンは時刻表示と一緒であり、それ以外の付加機能というわけではないからです。にもかかわらず、その機械機構が極めて複雑なため、大いに人々の興味をそそります。
アブラアン-ルイ・ブレゲが1795年に開発し、1801年に特許を取得したトゥールビヨンは、地球の重力によって生じる誤差を排除するために考案されました。


19世紀を通じてごくわずかなウォッチメーカーがトゥールビヨンに挑みましたが、製造数は極めて少量でした。しかしこの調速装置としての機構は、絶対精度を追求するいわゆるクロノメトリーウォッチへの利用のみならず、グランド・コンプリケーションモデルの構成部品として選ぶのに十分考慮に値するものであることがことが判明しました。ヴァシュロン・コンスタンタンは、この複雑機構に完璧に熟達した技術をもってクロノメトリーウォッチとグランド・コンプリケーションの両分野で頭角を現しました。


トゥールビヨンの発明は、服装に関する慣例と並んで、18世紀後半の時計の知識や使い方と密接に関係があります。当時の懐中時計は、機械のいくつかの不具合に悩まされていました。その原因は特に職人が作る部品にありました。それらの平衡を巧みに保つのは難しく、過度の摩擦に耐えることもありました。摩擦をある程度軽減する唯一の方法は潤滑油を施すことでしたが、当時手に入る油は固まりやすいものでした。


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